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まず初めに、当サイトはサイト方針としてPlayOnlineコミュニティサイトの規約に準拠した上での運営を心掛けていますので、ファイナルファンタジーXI(以下FF11)の規約違反にあたるRMTに関してはPlayOnlineと同様否定的なスタンスでいます。
当記事に関してはあくまでも中立的に純粋なレポートとして文章を作成するよう心掛けていますが、上記のような運営スタンスの上でRMTに関して書いていますので、少なからず批判的・感情的な文章になってしまう部分がある事をご了承下さい。 北米のプレイヤーがFF11をプレイを開始したのとほぼ同時期に表面化してきた「RMT」。 出現当初はそれほど目立った影響などはありませんでしたが、今現在FF11の未来を閉ざしかねない程の大きな問題に発展しています。 寝釣りや錆びキャップ磨きといった、スクウェア・エニックス社になかなか対策のされなかった「ゲームシステムの裏を突き、ゲーム内通貨"ギル"をシステム的に生産、サーバー全体のギルの総量を増やすような行為」によりギルが爆発的勢いで増殖。その余ったギルを個人や企業が商品として取り扱い始めたことにより、RMTという存在が一気に表に出てくることになります。 その後暫くして、俗に"中華"などの呼称で揶揄される中国からの業者がギルの価値に気付きゲーム内各サーバーに大量進出。 言葉が通じないという根本的な問題もさることながら、極度にモラルが低いプレイスタイルで様々な問題を引き起こし、その行為とそれを取り締まらないスクウェア・エニックス社に呆れ果てた一般プレイヤーがFF11から離れて行ってるという現状です。 ただ、ギル生産などによるゲーム内での影響等は知っていてもRMTそのものの実態に関してはほとんど知られておらず、謎に包まれた部分が多くあります。 そこで企画としてRMTを扱う業者にメールにてアンケートを実施、RMTの実状に関して調べてみることにしました。お聞かせ頂いた内容は下記になります。
1:ゲーム内通貨"ギル"の入手先はどこでしょうか。
1:中国系の業者 2:その他業者 3:個人取引先 4:自サイトでの買い付け 5:特定のサイトからの買い付け 6:その他 2:1の問いでその他を選んだ方は、答えられる範囲で入手先をお答え下さい。 3:一月に"ギル"を購入する方は何名いらっしゃいますか? 4:一月に1つのサーバーでだいたいどの程度の取り引きがありますか? 入手(客→店):約( )ギル 売却(店→客):約( )ギル 5:スクウェア・エニックス社から取引用アカウントの停止や剥奪など、 何かしらのペナルティを受けたことがありますか? 6:ファイナルファンタジーXI以外に、他のMMOでもRMTを取り扱っていますか? 7:未成年者によるRMT利用が中国や韓国で社会問題になっていますが、 実際に未成年者が取り引きを利用した事はありますか? 8:中国系業者による一般プレイヤーのプレイを侵害する形での行動等により RMTという存在に対しての風当たりが非常に強まっていますが、 それに対して何か思うことはありますか? メールをお送りした全31社の内11社から任意に回答を頂きましたので、各質問のお答えをそれぞれまとめて掲載させて頂きます。どこからお答え頂いた内容かわからないようにする為、アンケート内では社名等を伏せさせて頂きます。 複数回答でお答え頂きました。 11社全てが自サイトでの買い付け(買取)にてギルを入手。それ以外の流通ルートを設けているところもいくつかありました。 ・ 中国系の業者との取り引きの1件は在庫の都合上の最終手段として使用。 ・ その他業者の1件は日本人の集団を取りまとめている方からの買い付け。 ・ その他の2件はネットオークションと自己生産。 毎月の、RMT利用者数(ギルの購入・売却、利用者総数)は下記の通り。
RMTによる毎月のギルの流通量(各サーバー毎)は下記の通り。
日本の業者の一部のみでこの利用者数・流通量というのは、想像を遥かに越えていたので驚きでした。今回調査をしていない北米業者や中国業者を含めると物凄い規模の市場が存在していそうです。北米はRMTが盛んなイメージがありますし、、、 ・ ゲームデータを現実世界の金品によって売買する行為について(PlayOnline) ・ 不正行為に対する対処について(PlayOnline) ・ iGames Tour 2005 in College Station, TX(SQUARE ENIX) ・ [お知らせ]2005年10月分の回答を掲載(Gameinside.info) 上から2004年12月、2005年2月、2005年10月、2005年11月の記事。 ・ 「以降も継続して問題の発見、検討、対策を行ってまいります」 ・ 「800アカウント以上について、一斉にプレイオンラインからの強制退会処分」 ・ 「We're still banning hundreds of accounts a month for real money trading.」 ・ ゲーム内外で連携して対応にあたっています。 長期に渡って毎月継続して退会処分をしているらしいのですが、アンケートによると実際に処分された事は利用者も含めて一度も無いそうです。 今回は日本の業者のみを対象にしたアンケートなので、もしかすると対中国系業者や対北米業者等に処分を行っているのでしょうか。 それとも、、、? FF11のみを専門で扱っているところは少なく、大抵は他のMMOも扱っていました。 リネージュやリネージュII、ラグナロクオンライン等の日本でのプレイ人数が多い韓国系MMOの取り扱いが多いようです。 UO、EQ、EQ2、WoWなどは世界的に見ると韓国系MMOよりプレイ人数が多かったりするのですが、「日本でのユーザーが少ない」「ゲームシステムとしてRMTが出来ない」「公式でRMTを扱ってる」、等の理由でほとんど取り扱いはありません。 ・ 韓国、オンラインゲームアイテムの個人間売買禁止へ(MYCOM PC WEB) 上記記事で述べられているように、現在韓国で未成年者によるRMTが社会問題になってます。「学校に行かなくなる」「ゲーム中毒者になる」等問題は深刻で、法律制定をする方向で動き始めているそうです。 この記事を見て日本での未成年者の利用が気になったのでアンケートしましたが、実際のところ利用があるかどうかわからないというのが実状でした。もちろん未成年者の利用は各社共に規約によって禁じてはいるのですが、インターネットの性質上実際の年齢を確認することは不可能に近く、対処のしようが無いようです。 また保護者からの問い合わせ等もあり、もしかすると保護者経由でのRMT利用があるかもしれないとの事でした。 ・ オンラインゲームのアイテム収集に「下請け労働者」が出現(Hotwired Japan) プレイヤーでは無く"労働者"と呼ばれる中国系の業者。彼らの存在をどう思うかお聞かせ頂きました。以下、一部抜粋にて掲載させて頂きます。 このように一般プレイヤーだけで無く、日本の業者も中国系業者の存在やプレイスタイルを問題と考えて、メーカーの対応を強く望んでいるようです。 誰が言ってたか忘れましたが、こんな印象的な言葉があります。 「RMTはお金を買うんじゃない。時間を買うんだ。」 MMOというジャンルは利用者の毎月の利用額で利益を得るという収益モデルなので、「如何にして長時間プレイをさせるか。如何にして長期間拘束するか。」という点を重視した開発運営が行われることが多いです。 その意志が「利用者を楽しませる」という方向を向いていればいいのですが大抵の場合はお金稼ぎなどの単調作業で拘束しようとしていて、あまり時間の取れないプレイヤーは自身がやりたい事に時間を使うことが出来ません。 その為RMTによって"時間"を買い、長時間拘束を避けて出来た時間を使ってレベル上げや仲間との冒険などを楽しむそうです。 時間の取れないプレイヤー以外にも、「単純にお金が欲しい」「珍しい装備を入手して仲間に自慢したい」と言った理由でRMTをする方も数多くいます。 ・ RMT国内市場は150億円、利用者は7万人と発表(Mainichi INTERACTIVE) ・ RMTは誰からも認知される“産業”となり得るのか(ITmedia +D Games) そういった様々な需要により、RMTの市場は拡大。 アンケート結果のようにFF11だけでもかなりの利用者、取引があります。そんな日本国内でのRMT市場は150億円、利用者は7万人、国内で約80のRMT業者が存在。 欧米や韓国にいたっては1000億円規模と、かなりの市場に成長してきています。 このように世界的に拡大中の市場状況で各国にそれぞれRMTを扱う業者があるのですが、中国系業者は国名名指しでどのゲームでもその存在が問題として取り上げられています。同業者であるはずの他国業者にすら忌み嫌われています。 中国系業者のみが特別嫌われている理由。それは何故でしょうか? その理由の根本にある要因として、中国と日本の経済格差があります。 中国の労働者層の平均月給は500〜1000元位なのですが、これを日本円に直すと7500円から15000円。お金の価値が全く違います。 しかしゲームだと、誰が稼いでもどの国籍の人が稼いでも貨幣価値は同じ。日本人が稼いだ1ギルも中国人が稼いだ1ギルも全く同じ価値を持っています。 この元と円とゲーム内通貨の貨幣価値の差を利用しゲーム内通貨を換金していく事で、中国では平均月給をはるかに上回る収入を得る事が出来る為、自身の生活をかけた真剣な"労働"としてゲームをプレイしています。 労働者は収入を得る為にありとあらゆる手段を駆使し、一般プレイヤーへの暴言やMPK、経済の破壊等の妨害をしてまでもゲーム内通貨を取得。そして経済格差により、他国業者よりも安い値段で売っても利益を出すことが可能です。 一方日本業者はゲーム内の余ったギルを買い取り、それを足りない人へ売却するのが中心。人から人へギルを渡す仲介業者として存在していて、根本的に中国業者とは運営スタイルが違っています。 その為、極度にモラルの低いプレイスタイルによりゲームを食い荒らし、RMTに対する悪印象を作り、やがてはゲーム自体の衰退を招く行為が、他国業者からも忌み嫌われているのです。 ゲームの衰退、そしてオンラインゲーム市場の未来に悪影響を招く一連のノーマナープレイヤー。 日本の業者も彼らを重大な問題として認識。これら問題や、RMTによる詐欺などの犯罪を抑制するという目的で「RMT倫理協会」というものを発足させています。 ・ RMT倫理協会 「不透明」「無秩序」等と言われるRMTを取り巻く様々な問題に取り組み、RMTの「JISマーク」といった存在を目指すと言うRMT倫理協会。 この団体へのロングインタビューが掲載されている雑誌が出ています。 ・ コンティニュー Vol.24(Amazon.co.jp) 余談になりますが、コンティニュー誌は他の大手ゲーム誌やメディアで絶対に扱われることの無いRMTに対するコラムやインタビューをほぼ毎月掲載しているので、RMTの問題に興味がある方はご覧頂くといいかも知れません。 (コンティニュー Vol.20ではスクウェア・エニックス社にメールインタビュー) ゲームを食い荒らす中国系業者、まともに対策しない(してるように見えない)スクウェア・エニックス社、RMTを取り巻く問題に取り組んでいくというRMT倫理協会。 カオス状態のヴァナ・ディールはどこへ向かうのか。 FF11の一プレイヤーとして、今後も注目していきたいと思います。
最後になりましたが、この記事を作成するにあたり関係各位の皆様にご理解とご協力を頂き、大変感謝しております。心よりお礼申し上げます。
アンケートにご協力頂きました方々(順不同、敬称略)。 ・ GM-Exchange ・ RMT総合サイト〜PlusOne〜 ・ RMT銀行 ・ WHOOP RMT ・ NGM特急便 ・ RmTおんらいん販売所 ・ RMT総合サービスサイト☆マツブシ ・ RMT-EXPRESS ・ ぱすてるグループ RMTのぱすてる ・ FTB < Fine Trade Bank > ・ り・と・る --- RMT総合サイト --- |
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