しらぎくモバイルシステムFULLについて。

しらぎくモバイルシステムFULLはどんなシステムか。

しらぎくモバイルシステムFULLはPC向けに作成されたフル規格のウェブコンテンツをモバイル環境でも適切に閲覧出来るように変換処理する Perl スクリプトです。

PCと違い、端末の容量などの制約が多い携帯端末でも出来得る限り情報を取得出来るようにする事に主眼を置いております。

しらぎくモバイルシステムFULLの特徴。

しらぎくモバイルシステムFULLは木目細かな取り扱いを可能にするため工夫しております。

具体的にはしらぎくモバイルシステムFULLには以下のような特徴があります。

PC向けのコンテンツを適宜分割するなどして携帯端末に配信します。

PCと違い、携帯端末では一度に扱えるコンテンツの容量に厳しい制限があります。

しらぎくモバイルシステムFULLでは端末のスペックに合わせて適切にコンテンツを分割する事で、フル規格コンテンツの閲覧を可能にします。

また、ページの分割点をHTML文書内の注釈宣言で指定したり、予め分割点となるタグを指定する事も可能で、これらを用いる事で木目細かなページ分割が可能になります。

分割の他にも、クライアントサイドスクリプトなど携帯端末では取扱いが困難か不可能な要素や属性、或いは端末の仕様に依り明らかに無駄になる要素や属性については、処理時に削除するようにします。この結果、分割が抑制される事もあり得ます。

画像も適宜変換されます(条件付き)。

フル規格向けのコンテンツで用いられている画像の中には、携帯端末で閲覧される事を前提としていないようなものもあります。

それでなくても、携帯端末では表示出来る画像の解像度や形式に大きな制限があります。

しらぎくモバイルシステムFULLでは端末のスペックに合わせて適切に画像も変換する事で、携帯端末での画像閲覧を可能にします。

また、旧型機では端末の処理能力やパケット通信料の問題があるため、基本的に画像をリンクに変換する事で、見たい画像だけ見られるようにしております。

携帯端末向けに配信すべき要素を木目細かく指定出来ます。

PC向けのフル規格コンテンツを何でもかんでも漏れなく処理して配信するのは容量の点から非現実的です。

しらぎくモバイルシステムFULLでは、設定でモバイルに対しては処理しないHTMLの要素をclass属性やid属性で指定出来ます。

これを活用する事で、冗長なフル規格コンテンツの中から適切に配信したい部分のみを処理出来るようになります。

旧型端末への代替コンテンツも提供出来ます。

旧型端末では取扱える文書の容量が少なく、従って文書全部を読もうとするといくつにも分割しなければならない事もあり得ます。

これは余りにも非現実的なので、旧型端末に対しては、<meta>要素を用いてダイジェストを記述する事でそれを代替コンテンツとして閲覧出来るようになっております。

しらぎくモバイルシステムFULLのベータ版公開までに導入したいと思っている機能。

上記の機能は既にしらぎくモバイルシステムFULLのコードに組込まれているか、組込みが近いものです。

この他、以下の機能も必要となると思われますが、現時点ではまだ対応を進めておりません。

今後、可能な限り対応を進めてまいりますが、ベータ版公開には間に合わない事も予想されます。

表組(テーブル)の処理

旧型端末の中には表組(テーブル)が処理出来ないものがあります。

姉妹品・しらぎくモバイルシステムにはこれらの端末向けに表組をリスト構造に変換する事で表の内容が把握出来るような仕組みを導入しておりますが、PC向けフル規格コンテンツではしばしば本来の目的に沿わないレイアウト目的でのテーブルが見られます。

また、携帯端末向けのミニ規格(WAP 2.0)ではテーブルは入れ子構造を認めていません(仮に入れ子にしたとしても閲覧性に問題が生じ得るため多重テーブルを使う事は先ずありません)が、PC向けフル規格コンテンツではレイアウト目的でしばしば多重テーブルを利用する事があります。

これらをどう扱うかと言う問題があるため、しらぎくモバイルシステムでのテーブル処理機構を単純に移植する事は出来ません。

追記:テーブルの問題について、安易ながら解決策を見出しました。

多重テーブル構造では、一番内側のテーブル以外は全てレイアウトテーブルと見なす

乱暴なやり方のように見えますが、論理テーブルの入れ子構造と言うのは滅多にありません。

  • だからこそ、入れ子構造を禁じたベーシックテーブルと言う概念もある訳でして。

このため、テーブル解析中に新たな<table>要素開始タグを見出したら、その時点でそれまで処理していたテーブルはレイアウト用と見なすと言うものです。

ただ、この場合、新たな<table>要素開始タグが見出されるまで通常のテーブルと同じ処理を要するのでかなり重くなるでしょう実際には上記のようなプリミティヴな方法ではなく、テーブルが多重構造になっているか否かの判定及び一番内側のテーブルであるかどうかの判定では面倒な処理を省ける方法を思い付いたのでそれを導入する事とします

この他にも論理性のある要素属性(<tbody>要素, <table>要素のsummary属性, <th>要素のscope属性など)が含まれていたら論理テーブルと判断する方法なども考えましたが、多重テーブルに対応出来ない携帯端末への変換を行うので余り意味は無いような気がします。

加えて論理性のある要素属性として、<th>要素が含まれていたら論理テーブルと判断する事としました。<tbody>要素, <table>要素のsummary属性, <th>要素のscope属性などで判定する事も考えたのですが、最も無難なものとして<th>要素を使う事としました。

また、負荷軽減策として、テーブルについては別リンクにすると言うのも考えました。この場合、通常のページ処理ではテーブルは全体がアンカーに置換され、当該アンカーを開いた場合には当該<table>要素だけをピックアップして展開する事となります。

フォームの処理

旧型端末の中にはフォームに対応していないものがあったり、フォームの仕組みが通常のHTMLと大きく異なっているものがあります。

姉妹品・しらぎくモバイルシステムにはこれらの端末でもクエリの入力を行えるようにする機構を導入しておりますが、フル規格のフォームは大きいものもあり、単純に移植しただけでは問題があると思われます。

また、ソフトバンク在来機の非パケット端末のように、フォームのクエリに大きな制限があるものがあり。これらにも対処しなければならないでしょう。

しらぎくモバイルシステムとの違い。

既に制作者はしらぎくモバイルシステムを公開しておりますが、しらぎくモバイルシステムFULLはこれとは全く別のシステムとなります。

しらぎくモバイルシステムFULLはミニ規格コンテンツの処理のために開発されたしらぎくモバイルシステムと異なり、フル規格コンテンツの処理のために開発されます。

従って、iモードなどの携帯端末向けミニ規格コンテンツの処理には適しません。

具体的には以下の点で適しません。

フル規格になく、ミニ規格にはある独自絵文字をサポートしません。

従って、絵文字を多用したコンテンツでは閲覧に支障が出る事も予想されます。

フル規格コンテンツは概ね横幅のあるPCのディスプレイでの閲覧を前提としたデザインとなっているため、基本的にデザインを切捨てて処理します。

具体的には<center>要素でのセンタリングや<h○>要素などに与えたalign属性などでの文字寄せは全て無効になります。

配色などのデザインはシステムで設定されたものを使います。

勿論、WAP 2.0ならCSSも利用出来、適切にクラス名などを当てておく事で携帯端末独自の高度なデザインも可能となります。

フル規格のコンテンツを分割するなどの機能はミニ規格コンテンツ専用のシステムとしては無駄なものとなります。

ミニ規格コンテンツでは基本的にコンテンツの分割は行いませんので(WAP 1.0及びH"リンクを除く)、無駄なコードとなります。

画像処理を行うには、イメージマジックまたはNetPBMが必要になります。

これらが無い場合でも、テキスト部分に関しては処理が可能ですが、画像については携帯端末で閲覧される事を前提としていないような画像に対して縮小・減色・形式変換などの処理が必要になるため、それ用のバイナリが必要不可欠となります。


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